紙おむつをリサイクル?ユニ・チャーム「マミーポコ・RefF」の価格・リサイクル技術を調べてみた

砂漠の上に置かれた紙おむつ ?を調べる
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2024年9月、ユニ・チャーム株式会社はRefF(リーフ)というリサイクル紙おむつのマミーポコパンツ版を販売開始しました。

じょし
じょし

えっ!?うんちやおしっこはどうするの!?

私もその疑問を持ったので、詳しく調べてみました。

RefF(リーフ)を買うには?価格は?

RefFは九州の一部イオン店舗とユニ・チャーム公式のオンラインショップのみで販売中です。
24年9月からマミーポコパンツのRefF版も販売が開始されました。
使用済み紙おむつの回収とリサイクルを九州で実施しているためです。

とり
とり

高そう…

はい。やや高価です。
オンラインショップをRefFのマミーポコパンツを確認すると、サイズはLサイズビッグサイズのみ(2024年10月現在)
Lサイズは42枚✕2、ビッグサイズは36枚✕2のみ販売しており、どちらも2,156円(税込み)でした。
通常のマミーポコパンツと価格比較した結果は以下の通り。
結論としてはRefFの方が若干高いですが、人によっては選択肢になるかと思います。

販売元商品税込価格(1枚あたりの税込価格)
ユニ・オンラインショップ
RefF(リーフ)マミーポコパンツ【みらいサイクル商品】 Lサイズ 42枚✕22,156円(25.7円/枚)
ユニ・オンラインショップ【定期お届け】〔パンツ Lサイズ〕マミーポコパンツ ドラえもん オムツ 62枚×34,422円(23.8円/枚)
楽天市場マミーポコ パンツ ドラえもん(3個セット)【マミーポコ】 62枚×34,731円(25.4円/枚)
RefF版マミーポコパンツの価格比較

RefF が不安な方向け・リサイクル技術について

まうす
まうす

買ってもいいけど、きたなそう…

そういった方向けに、RefFのリサイクル技術をご紹介します。

紙おむつの構造

紙おむつは大きく分けて不織布吸収剤という2種類の素材で構成されています。
紙おむつにおしっこやうんちをすると、表面材(不織布)→吸水紙(吸収材)→綿状パルプに包まれた高分子吸水剤(吸収材)の順に捕縛されます。

従来の処分方法

今までは使用済み紙パンツを焼却処分してきました。

めがね
めがね

水分がのこったまま?


はい。そのため焼却処理に時間がかったり、燃え残りがあったりと問題も起きています。
しかも高齢化の影響で、家庭ごみの約10%が使用済み紙パンツになる自治体も出てきているといいます。
そのため日本国政府の脱炭素政策の一環として、様々な企業が紙パンツのリサイクルに取り組んでいます。

使用済み紙パンツの収集

2024年4月現在、日本のごく一部の自治体と企業が組んで使用済み紙パンツを収集し、リサイクルに取り組んでいます。ユニ・チャームは鹿児島県志布志市や大崎市と連携しています。

鹿児島県志布志市や大崎市では、使用済み紙パンツを資源ごみの回収品目にし、リサイクルセンターに収集しています。

使用済み紙パンツのリサイクル

ユニ・チャームの紙おむつのリサイクルフロー

収集された使用済み紙パンツは、まずは資源ごみの回収袋ごと破砕装置に投入され、次に洗浄・分離装置に投入されます。
そしてリサイクル可能な2種類の素材、パルプと高吸水性樹脂(SAP)にそれぞれ分離されます。

分離されてすぐのパルプとSAPはうんちやおしっこで黄ばんでいます。
おまけに匂いや雑菌も付着しているため、再利用するためには最終処理が必要です。

パルプの最終処理(オゾン処理)

オゾン(O₃)処理は再利用可能なパルプの生成や衣服のクリーニングでも使われる技術です。
(O₃)は3つの酸素原子で構成されています。
2つのO原子同士は二重共有結合でつながっており、余った酸素原子は配位結合でつながっています。

配位結合は弱く、室温ですぐに切れてしまいます。
結合が切れた酸素原子(O-)は、酸素分子(O₂)よりも反応性が高いです。
そのため様々な分子と結合し、もとの分子を破壊したり、別の分子へと変質させてしまいます。
そこで、匂いや色の原因分子や細菌の細胞膜の分子にO-を結合させることで、脱臭・漂白・殺菌を行います。

SAPの最終処理(脱水処理+オゾン処理)

紙おむつに使われるSAPは、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム塩、架橋剤(2つ以上の分子を共有結合で連結させる試薬)で構成されています。
これに水分を含ませると、アクリル酸、アクリル酸ナトリウムによってできる分子鎖が、架橋材によって分子間結合され、3次元の網目状構造を形成します。
そしてこの網目内に水分を保持することが可能です。

ねこ
ねこ

網目格子から水分を追い出してあげれば良いわけか…

これまでは、カルシウムを使ってSAPから水分を取り除く方法が知られていましたが、網目格子内にカルシウムが残ってしまうという問題点がありました。
そこでユニ・チャームは、北海道大学と共同研究を行い、酸によって水分を取り出す方法を開発したとのことです
この脱水処理の後、パルプと同じくオゾン処理を施す事で、再利用可能なSAPへと生まれ変わらせます。

ユニ・チャームでは、このように生まれ変わらせたパルプとSAP使用して、新しい紙パンツを製造しています。

おわりに

リサイクル工程でかかる費用と販売価格のバランスが不明ですが、一般論で今の販売価格では採算が取れていないと思ってしまいます。このリサイクルの取り組みも一部地域限定のまま続けるのでしょうね。

じょし
じょし

何重にも滅菌・漂白処理してあるので安心してご購入くださいっ!

参考URL

https://note.com/unicharm_reff/n/nd0f05cc97305
https://hula-la.com/mamypoko_pants_m.html
https://www.unicharm.co.jp/ja/csr-eco/reff.html
https://www.unicharm.co.jp/ja/csr-eco/education.html

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