2024年5月8日、Neulalink社は、脳内インプラント・Linkの治験報告を自社ブログにアップしました。
イーロン・マスクがCEOだって事は知ってるよっ!
私もその位しか知りませんでした。今回はその他治験状況と、そもそもNeuralinkの特徴3点をご紹介します。
治験結果
脳波でマリカとは?
患者のノーランド・アボー氏は脊椎損傷で四肢麻痺を患っており、デジタル機器を操作するためには介助者のサポートが必要でした。しかし、Linkの移植後は介助者なし、しかもベッドに寝たままMacBookやNintendoSwitch(↓にマリオカートのプレイ動画を添付)を操作できるようになっています。
BPSの世界記録を樹立
Linkのような脳内インプラントをブレインコンピューターインターフェース(BCI)と言います。
BCIの性能評価の1つに、BCIを介したマウスポインタ操作能力を図るBPS(BCI Performance Score)という指標があるのですが、これで8.0BPSという世界記録を樹立しました。
それってすごいの?
それ以前にノーランド氏は4.6 BPSで世界記録を更新。また、Nulalinkエンジニアがマウスを使って10BPSでした。この2点から見てもかなりのハイスコアだと言えます。
BPSの測定方法は、運動選手の反射神経テストのようなものです。
ディスプレイに表示された碁盤の目の中に、急に現れるオレンジ色の場所をマウスポインタでクリックし、正確性と速度をスコア化することでBPSが算出されます。
インプラントの電極糸が脳細胞から退縮した
手術の数週間後、多数の電極糸が脳から押し戻され、有効な電極の数が減少しました。
これによりBPS も低下したとのこと。
電極糸が最大のメリットだったのにぃ?
そうなんです。私にも結構な問題に思えます。
Nulalinkの特徴
初めてNulalinkを知る方に向けて、私が考えるNulalink社の脳内インプラント技術の特徴を3点ご紹介します。
髪より細い電極糸
Linkは小さな円筒状の筐体で、中にバッテリーやアンテナ等が含まれています。
この筐体から伸びた髪より細い電極糸を大脳皮質上に埋め込み、脳波を読み取って外部機器に送信します。
体への負担も軽そうだねぇ…
それだけじゃなくて、インプラント除去技術の開発が計画されていた事が他のBCIにはない大きなメリットです。
こちらは退縮問題の影響は小さいのではないでしょうか。
埋め込み手術専用マシン
Linkを脳に埋め込む際に使用する、巨大なミシンのような専用のマシンも開発されています。
このマシンのおかげで、医者の能力によらず手術の成功率を一定に保つ事ができるのです。
Linkと接続可能なソフトウェア
Neurolink社の創業者のイーロン・マスク氏らしく、Linkとの接続先デバイス(MacBookやNidntendo Switch)側にインストールするソフトウェアも開発しています。今までのBCIに無い、患者の利便性を大きく向上させる取り組みです。
おわりに…大丈夫かな?
以上、Nuralink社の治験報告のご紹介でした。
今回の治験で脳が電極糸を押し戻す事がわかってしまいました。私の妄想ですが、電極先端に釣り針の返しの構造を作り、除去技術は捨てる可能性もあるのでは?と考えてしまいました。