2024年11月11日週に見つけた特に取り上げる程のものでもない、でも知っていると話のネタになる、そんな科学系のニュース記事をご紹介します。
最古のオタマジャクシは体長16cm
2020年にアルゼンチンのパタゴニアで見つかった「Notobatrachus degiustoi」が最古のオタマジャクシだと判明。体長は16cmで、カエルの姿のNotobatrachus degiustoiと同じ位の大きさだったそうです。現代のオタマジャクシは数センチ、非常に大きい事がわかります。元記事はこちら
リンク先の絵を描いたGabliel Lio氏のインスタグラムはこちら、美しい恐竜の絵がありますのでご興味のある方はご覧ください。
手術用機械「da Vinci」に自動手術を行わせる研究
24年11月11日、ジョン・ホプキンス大学の研究者達がIntuitive Surgical社の手術ロボット「da Vinci」に機械学習を適用し、手術に必要な3つの基本的な作業((針の操作、体組織の持ち上げ、縫合)を自動で実施できるようになったというニュースがありました。
仕組みは自動車の自動運転と同じです。da Vinciについているカメラでインプットされた映像に対し、機械学習モデルを使って計算し、リアルタイムで手術ロボットのアームを動作させ、完全自動で作業させるというもの。面白いのは針を落としてもまた拾ったり、糸が絡んだら直したりもできる事。
ちなみに「da Vinci」は体をメスで切り開かずに、穴を開けて底から細いロボットアームを入れて手術をするための機械です。既存の腹腔鏡手術の発展型で、こちらのサイトの比較表がわかりやすいです。ご興味のある方はぜひ
最も有力な競合はAsensus Surgicalの「LUNA」。しかし新型の「da Vinci 5」にはLUNAの強みであった触覚フィードバック機能が追加されてしまったり、Asensus Surgicalの資金繰り問題なども発覚してしまい、da Vinciの一強は揺るがない状況に、私には見えます。
ロボット手術の保険適用枠が年々拡大し、病院の収益性が高まるにつれ、da Vinciを導入する病院も増えてきています。私が住んでいる地域の病院にも導入されてましたよぉ
野球ボールに土を塗ると摩擦が高まる
とある土を新品の野球ボールに塗り、塗った前後のボール表面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測定したという研究です。
粒子の小さい泥砂が野球ボール表面の細孔を埋め、その上に粒子の大きい砂石が付く事で、投手が好む独特のグリップ感が得られる事が科学的に分かったとの事。元記事はこちら
ちなみにこの土はRubbing Mudという名前で、野球用に独自に調合されたものです。
MLBでは野球をプレーする前にこのRubbing Mudを新品のボールに塗るという習慣があります。
1950年代から始まった習慣だそうです。Lena Blackburne Baseball Rubbing MudというRブランドの創始者は、1940年代から10年近く良い泥を探し回ったそうです。Wiki参照。
精子も重力変化の影響を受ける
飛行機を急上昇させる事で超重力を、その後急降下させると微小重力環境をそれぞれ数秒間作る事ができます。
事前に採取した精子にこのフライトを計100秒程経験させたところ、地上に置いておいた精子と比べて運動性能(活発に運動する精子の量・移動速度等)が低下しました。
その一方DNA 断片化、精子の形状、酸化ストレス 精子は影響を受けませんでした。
サンプル数が少なく、統計的な結果ではない事が課題です。
今までは宇宙環境で受ける放射線の影響で生殖能力に影響が出るのでは?と言われていましたが、今回重力変化の影響も受けることが分かったとのこと。元記事はこちら
将来の長期宇宙ミッションにも影響が出そうですねぇ
おわりに
以上、今週の?なニュースでした。最後までご覧頂きありがとうございました。
ありがとうございました